こんにちは。
樋口です。
「ADL」「IADL」介護施設ではよく使われている言葉ですが、
一般的にはそんなに馴染みのある言葉ではないかもしれませんね。
ただし介護だけではなく、リハビリや福祉でもよく登場する言葉なので
覚えておいて、もちろん損はないですよ。
ADLとは、「Activities of Daily Living」の略で、
「日常生活動作」という意味になります。
では、日常生活動作って何かというと、
食事、更衣、整容(洗顔や整髪など)、排泄、移動、入浴など
つまり、日常生活の中でほぼ毎日、当たり前のように行っている動作です。
IADLとは、「Instrumental Activities of Daily Living」の略で、
こちらは「手段的日常生活動作」という意味です。
IADLは、ADLを基にさらに複雑な判断力、記憶力、運動等が必要な動作となります。
例えば、「食事」を例にすると、
ADLは、食べるという動作。
これに対してIADLは、献立を考え、買物で必要な食材を用意し、調理して食器に盛付け、
食卓に運び、食べ終えたら片付けをする。
つまり、ADLを基本として、より高度な動作となるのがIADLとなります。
これはIADLの低下がADLに障害が起こる前段階でのことだからです。
IADLの中で出来なくなった動作があると、
生活するための基本的な動作のADLの一つができなくなり、
その部分に対して介護が必要となってくる・・・
このような連鎖が起こってくるわけです。
これも「食事」を例にすれば、
「買物が出来ない」「調理が出来ない」
⇒ 食事の用意が出来なくなる
⇒ 食事が面倒になる
⇒ 食事の回数が減る
⇒ 食事介助が必要となる
つまり逆を考えれば、IADLが維持出来れば、ADLの低下を防ぎ、
介護を必要としない自立した生活が送れるわけです。
IADLをチェックする方法は複数あるのですが、
今回は、『Lawton(ロートン)の尺度』を使ってみましょう。
下記8つの項目それぞれで最もあてはまるレベルを1ずつ選び、
0の場合は0点、1の場合は1点で採点していきます。
③~⑤の3項目については、男性は除外となりますので、
それぞれの総点数は、男性0~5点・女性0~8点での評価となります。
総点数が高いほど自立している(=介護が必要ない)ということになります。
尚、上記の項目はその時々の体調や環境によって、
出来る時と出来ない時があるということを理解しておく事は必要です。
点数が低いから介護が必要になるとは限りません。
但し、出来ない部分のサポートやリハビリ等で改善、予防を目指すためのサービス利用は検討すべきです。
IADLの低下は、加齢や疾病等による身体機能や認知機能の衰えが大きな要因であることは間違いありません。
但し、それだけではなく、精神面や生活環境も大きく影響するのです。
例えば、身の回りの世話を何でもしてくれる人がそばにいたり、
出来ない事が増えてきて、引きこもり気味になってしまい、
人や社会との関わりが減っていたり・・・
こういった精神的なストレスだったり、生活環境によっても
IADLの低下は進行していきます。
では、その予防法ですが、
先ず当人のADL、IADLの評価を把握し、
自身で出来る動作、サポートすれば出来る動作、出来ない動作、
これらを理解することで、必要な介護が解ってきます。
つまり「過剰介護」をしない事がとても大切となります。
自分で出来る事は自分でやって頂き、出来ない事だけを手助けする。
但し無理のない範囲で!です。
何でもかんでもやってあげるのは、その人がまだ持っている潜在能力を奪う事になりかねません。
些細な事が1つ出来ただけでも、本人にとっては大きな自信になったり、
意欲向上に繋がる事もあるのです。
「自立支援」 これも介護の重要な役割です。
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編┃集┃後┃記┃
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今回のように「ADL」とか「IADL」とか
英語を略して言うこと多くなってますよね。
これって、もちろん医療や介護業界だけでなく、
日常会話でも略して言う人いるじゃないですか。
CMで有名になった「結果にコミット」のコミットとか、
「都合悪いからリスケしてくれる」のリスケとか。
先日、ラジオを聞いていたら、飲食店の店長さんが、
「昔はワンオペやってました」に、
インタビュアーは、収録が終わった後にスタッフに、
「ワンオペってどんなバンド?」
って聞いたそうで・・笑笑
言葉による意思疎通、大切にしましょうね~^^
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