家族信託とは・・ メリット、デメリットを解りやすく解説

目安時間 12分

こんにちは。樋口です。

 

前回、認知症の親の銀行口座から現金を引き出せるようになったけど、

 

認知症対策として考えると、「家族信託」も検討した方がいいよ!

 

って、お伝えしましたので、今回は予告通り

 

「家族信託」

 

前回の記事を読んでいないという方は、まずコチラから読んで頂いた方が理解出来るかと思います。

 

家族信託とは

 

家族信託って正式には「民事信託」って言うんだけど、

 

まぁ家族間で信託を利用する場合が多いので、

 

「家族信託」という名称で通っています。

 

 

で、家族信託とは何ぞや・・ですが、

 

読んで字の如し、家族を信じて託す、

 

つまり、財産を託された家族が、合法的に財産の管理や継承を行うことが出来る制度です。

 

 

家族信託はどんな場合に必要なのか

 

では、どんな時に家族信託が必要なのか、認知症の観点からいうと、

認知症対策のため

 

はい、まずはこれ。

親御さんが認知症を発症し判断能力が低下して色々と制限をかけられる前に備え、

健康で判断能力があるうちに家族信託を利用するケースが多いです。

 

成年後見制度を利用したくない

 

成年後見制度に関しては、前回の記事でお伝えしているので、そちらを参照して下さい。

 

親が居住用不動産を保有している

 

例えば、親が自宅などの不動産を保有しているんだけど、

預貯金はそんなに・・・

 

という場合で、将来、親の施設入所などを検討していて、

尚且つ、その自宅に子供が居住する予定なしであれば、

その不動産を売却し、施設入所等の療養費に充てるといった事で

家族信託を利用するケースがあります。

 

 

家族信託の仕組み

 

家族信託には3つの立場が存在するので、1つずつ説明しますね。

委託者

 

簡単に言えば、財産を持っている人で、家族にその財産の管理をお願いする人です。

 

委託者は、財産の管理や処分などに関して、事前に決めておくことが出来ますし、

また、受託者の選任、解任の権利等、受託者に対し様々な権利を有します。

 

受託者

 

こちらは、委託者に財産の管理や処分をお願いされる人です。

 

受託者には以下の義務が課せられます。

 

・善管注意義務
受託者は、委託された本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負うものとする。

 

・忠実義務
受託者は、委託者のために忠実に責務を果たす義務があるものとする。

 

・分別管理義務
受託者は、委託者から委託された財産と受託者自身の固有の財産を分離して管理しなければならない。

 

 

また受託者は委託者から信託された財産に関し多くの権利を有することとなります。

 

例えば、賃貸不動産を信託された場合には、その不動産の全ての権利を引き継ぐので、

賃貸契約、家賃回収、修繕業務などを行うことが出来ます。

尚、登記簿上、受託者が保有者になるので、固定資産税は受託者へ請求されることとなります。

 

受益者

 

信託された財産から生ずる利益を受け、受益権を有する人です。

 

受益者は指定できる人の範囲が広く、「委託者」を「受益者」に指定することも可能です(自益信託)。

また受益者を複数人設定することも可能です。

 

尚、受益者の死亡により、次の世代が受益権を継承する「後継ぎ遺贈型の受益者連続信託」も設定出来ます。

 

家族信託のメリット

認知症発症後でも財産管理が可能

前回の記事で、条件付きではありますが、

認知症の親の銀行口座から現金引き出しが出来るとお伝えしましたが、

 

家族信託では、財産所有者の判断、意思能力に関わらず、

不動産の売却なども可能となります。

 

遺言書としての機能がある

家族信託は、遺言書としての機能も備えています。

 

遺言書は相続開始日、つまり亡くなった日から効力を発生しますが、

家族信託では、委託者が受益者を指定することで、生前に遺言と同様の効果を得ることができます。

 

よく「生前に財産の継承先を決めているのであれば、生前贈与したほうがいいのでは?」と言われますが、

生前贈与は計画的に行わないと贈与税の対象となり、相続税よりも高い税率が課税されることとなります。

 

遺言書機能で次の世代以降の相続の指定が可能

家族信託では、事前に財産の移転先を細かく設定することが可能で、

遺言書ではできない二次相続以降の相続についても「受益権の継承先」を指定することができます。

 

第1受益者が死亡した場合は第2受益者に受益権が継承され、

第2受益者が死亡した場合は第3受益者へと受益権が継承されます。

 

家族信託のデメリットと注意点

受託者が使い込んでしまうリスク

家族信託では、受託者に前述した通り善管注意義務、忠実義務、分別管理義務が課せられますが、

財産の管理運用を行う権利を利用して、私欲のために使い込んでしまうといったリスクがあります。

 

これを回避する方法として、受託者を監視する「信託監督人」や、

受益者の支援を行う「受益者代理人」を選任することで、

受託者の使い込みなどを抑止することは可能です。

 

基本的に相続税の節税効果は小さい

そもそも家族信託は、相続税を節税することが目的ではなく、

財産所有者の意思による財産の継承を確実に行うための制度です。

 

不動産の売却等を行い、結果として節税対策になったというケースもありますが、

基本的には節税効果はありません。

 

税金の課税関係はやや複雑

家族信託の税金の課税関係は、誰に何の税金が課税されるのか、やや複雑です。

ここでは、継承される財産が賃貸不動産の場合を例として説明します。

 

1.受益者には贈与税が課税される

 

受益者は信託財産の実質的所有者ですから、贈与税が課税されます。

そして、信託財産から生まれた利益は、受益者が受け取ることとなります。

 

ただし、委託者自身を受益者に設定した自益信託では、贈与税は発生しません。

 

2.受益者には所得税が課税される

 

賃貸不動産が信託されている場合は、受託者が運用を行い、

受益者が利益を受取り、所得税が課税されることになります。

 

3.固定資産税は受託者に通知される

 

信託財産の「固定資産税」については、登記簿上の所有者になっている受託者に通知されます。

 

ただし固定資産税は、信託契約書によって受益者が負担することが一般的で、

固定資産税が通知されたと言っても受託者に納税する義務はありません。

 

4.登録免許税は課税され、不動産取得税は課税されない

 

不動産を信託財産にした場合には、所有権移転登記が必要になります。

登記は委託者から受託者に変更になりますので、登記に必要な登録免許税の支払いが必要になります。

 

尚、家族信託による所有権移転登記は、形式上のものであるという観点から

不動産取得税は、課税されません。

 

家族信託の具体的な手続きの流れ

信託契約書を作成し公証役場へ

まず家族信託をするには、信託契約書を作成し、公証役場で公証する必要があります。

 

そして、信託契約書に書かれている内容により、対象となる信託財産の登記も行います。

 

ここで重要なのは、信託契約書の作成時には、家族内で十分に相談して、家族全員が納得していること。

ここをおろそかにすると、後々トラブルに発展する可能性が高いと認識して下さい。

 

また家族信託で使用する信託契約書は、決まった書式があるわけではないので、専門家に相談し作成した方が確実です。

 

信託専用の銀行口座開設

上述した通り、家族信託では受託者に分別管理義務が課せられていますので、

受託者が信託財産の管理を行うための専用口座を開設することをお勧めします。

 

大手信託銀行だけでなく、地方銀行や信用金庫等も信託口口座という家族信託に適した口座を開設出来るようになってきています。

 

尚、信託口口座は、第1受託者が亡くなった場合でも口座凍結されず、第2受託者へと引き継がれます。

ただし信託口口座は、必ず開設しなければならないといった規制はありません。

 

 

上記が2点が整った段階で、受託者により信託財産の運用を開始することが可能になります。

 

家族信託は専門家に相談

家族信託は自分で手続きを進める事も可能ですが、

前述した通り、家族内で十分に相談して、家族全員が納得していないと、

トラブルに発展してしまうリスクがあります。

 

事前に税理士などの専門家に相談して手続きを進めることをお勧めします。

 

 

メルマガのお申込みはこちらから

上記のバックナンバーを読んで

このメルマガの購読価値があると思われた場合には

以下より購読(無料)をお申し込み頂けます。

以下にメールアドレスを入力しお申し込みください

お名前(必須)  
メールアドレス(必須)

※プロバイダーアドレスでは、メールが受け取れない場合がございますので、
Hotmail以外のYahoo、Gmailなどのフリーメールアドレスでの登録をお薦めいたします。

この記事に関連する記事一覧

コメントフォーム

名前 

 

メールアドレス 

 

URL (空白でもOKです)

 

コメント

トラックバックURL: 
管理人プロフィール

樋口 修

小規模多機能型居宅介護施設 管理者

樋口 修

カテゴリー
最近の投稿
コメント
アーカイブ